ショートカットの女性
帰宅中の電車
ショートカットの女性が髪を耳にかきあげてスマホを触っている。
美しい。ショートカットの女性はただそこにいるだけで、10m以内にいる男の視線を全て独占する力がある。まるで芸術作品のようだ。そこにいやらしい気持ちは一切ない。
いや、うそだ。ほんとは10割はいやらしい気持ちである。
僕は、女性と接するときその人の内面や性格等に対する興味は一切ない。快晴の空に雲がいっさいないように。
僕は女性と会ったら、自分が注ぐことのできる100%全てのエネルギーを「ヤりたいかヤりたくない」という判断に使用することにしている。しかも、その判断にかかる時間は1秒にも満たない。
世の女性陣に一言言いたい。
僕は異常な性犯罪者予備軍でもない。
健全な純粋無垢な23才O型オスである。
そんな事を考えていながら、僕は3m先にいるショートカットの女性に視線を注いでいた。
ふっ。
目があった。
一瞬であるが、確かにショートカットの女性は目は僕をとらえた。そして、すぐに視線をスマホの画面へとおとす。
恐らくその女性は、自らと相性のあう男性ホルモンを本能的に察知し、僕と目が合い、そしてあまりの嬉しさに、友達に「今、電車にめっちゃタイプな人いる。しかも目あったヽ(*≧ω≦)ノ」とLINEしているにちがいない。
なるほど。
この辺りにしないと、嘔吐の症状をもたらす読者によって病院がパンパンになる可能性があるのでやめておこう。
あと、ひとつだけ。
昔、どこかで聞いたことがある。
誰かとよく目があうのは、相手が自分を見ているからではなく、自分が相手をしょっちゅう見ているからだ。と。
なるほど。
たしかに。僕は街を歩くとわりかし、女性と目が合う。
どうやら凝視しすぎてたみたいだ。
今週はサングラスでも買おうかな。
ではでは