大人の階段を上った日②
昨日の続きの話。
まずは、下記の記事から読むことを、これでもかというほど強くお勧めする。
我々3人は、それぞれカクテルを飲んでいた。
どこか大人な雰囲気に、低俗な話していけないような気がして、何を話していいか分からず沈黙していた。
ここで、別の友人がバイトから終わったため合流することになった。
僕は、店の場所が分かりづらいので、友人を迎えに行った。
店に入り、席についた友人は、何も知らない様子で、マスターに言う。
「メニューをください。」
我々は、メニューはないと彼に教えた。
少し悩んだ友人は、しばらく黙り、マスターに言う。
「ウイスキー、ロックで。。。一番安いやつ」
彼の気取らない注文に、僕は関心した。
僕は、かっこつけてジンフィズを注文したのに、彼はウイスキーオンザロック。
無理にかっこつけるのはかっこ悪いと僕に教えてくれるかのようだ。
2杯ほど飲んだ我々は、そろそろ、低級な話の出来ない雰囲気に耐えられなくなり、店を出た。
店を出て、次はどうしようかと話をしようとしたとき、突如、友人(ウイスキーオンザロック)が僕に言った。
「ふざっっっっっっっっっっけんなよ!!!!!」
「どうした、オンザロック?」
「まじで、ふざけんなよっっっっ!!!!!!」
「んん、どうした?」
最初は、オンザロックが冗談で何か僕に言おうとしていると思った。
しかし、オンザロックの声色、充血した目、口元のわずかな震え、眉間の皺、額から流れる汗、股間の膨張具合から総合的に判断すると、どうやらオンザロックはマジ切れしているようだ。
「バショウ!最初の一杯目は、俺はビールが飲みたいんだ!!!!!??!!??!!!!!」
サイショノイッパイメハビールガノミタイ☆
だと?
うん、イマイチ意味が分からない。
恐らくだが、彼は最初の一杯にビールが飲めなかった事実に怒っているのだろう。
ただなぜ、最初の一杯目がビールを飲めなっかだけであれほど怒るかは、今の所分からない。
そもそも、彼が一番最初に飲むドリンクがビールでなければいけないという美学すら、僕は知らない。
もしかして、
彼の親父がサッポロビールで働いており、「男は黙ってサッポロビール」というビールの英才教育を幼少期から叩き込まれており、最初の一杯目にビールを飲まないと暴力が飛んでくる星飛雄馬的な家庭で育った、とんでもないビールエリート一家なのか?
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今の所、理由はわからない。
ただ、総合的に判断して、彼の行為は完全に「理不尽」だと断言できる。理不尽の塊といってよい。
もはや、理不尽の上位概念に彼があり、世の中の理不尽はすべて彼発の可能性も考えられる。King of Rifuzinn
ここは、反論しよう。
「そんなビールが飲みたかったら、頼めばよかったじゃん」
「あの雰囲気でビールを頼めるわけないやろううっっ、ダセエジャン!!!!!!!!!!!???!?!?!!」
彼は、キレた様子で僕に言い放つ。
あの雰囲気でビールが頼めるかどうかは、確実に僕の責任ではない。彼の意志次第だ。
彼は、ホントはビールを飲みたかったが、かっこつけて普段飲まないウイスキーをロックで頼んだ。
先ほど彼の事を気取らない人間と言った自分に、渾身の右アッパーをおみまいしたい。
今思えば、彼はお酒を飲むと奇行にでる。
基本、お酒を飲むと、立チションをする。
田んぼ、車道の真ん中、電柱、友人宅のマンションの5階ベランダ、ある時はN駅前ロータリーのシンボルアートに尿をぶっかけ、自らとアートと融合させ、別のアートを創作しようとする姿勢は、アーティストすら彷彿させた。
これら、あらゆる所に尿をぶっかけ、自らの縄張りを誇示する行動習性は、ほぼ「犬」と相違ない。
巷で流行りになっている犬系男子よりも、本来の犬に近い彼に対して、原宿・渋谷にいる犬系男子は、驚きと焦りを禁じ得ないだろう。
また、彼の聖剣から放たれる尿は、常に力学的法則に従い[y=ax2]の放物線を描き、地面との間に、美しい虹を描く。
なお、この虹は、パラメータaに依存する。彼のペ〇スと地面がなす角度θ、彼の尿の初速度vによって決定されることには留意して頂きたい。
また、彼がN駅のシンボルアートに尿をぶっかけた時は、「俺は将来、N市職員になるから、結局俺がN市の街をきれいにするから問題ない」
という謎の名言を放っている。
確かに彼は、N市の飲食店で酒を飲み、N市の街で尿を足し、N市職員として名古屋の街をきれいにし、N市からお給料をもらう。
そのお給料でN市の居酒屋でお酒を飲み、尿をたし、再び街をきれいにし、お給料をもらう。もらった金は、再びN市の居酒屋で消費され、N市の街に尿として還元され、彼がきれいにする。無限ループ。循環型社会の異端児。
昨今、循環型社会だの地産地消だの、生産と消費を小さなコミュニティで収束させる動きがある。
彼はそれを見事に体現し、生産、消費、排出、清掃に至る流れを全てN市内で収束させる。
一見、立小便という行為も、彼にとっては、ひとつのエコ運動なのである。
エコな男。地産地消の精神。循環型社会の権化。
彼の事をみなこうよぶだろう。地産地消a.k.a循環型社会の権化。チェケエラ。
話はそれたが、とにかく地産地消a.k.a循環型社会の権化が怒っている。理不尽に。
筋の通っていない論理を、あたかも筋が通っているかのように暴力的なロジックで、目の前の僕に、大声でまくしたてる。
「最初の一杯目はビールだあっぁどうmgか!はkkoi!わうdeneeeわaわ!」
論理を成していない主張を、声高に猟奇的に言う奴が一番怖い。
時折彼は、自らの論理に欠陥が生じ、論理だけでは相手を倒せないと分かると、「大声」というパワープレイで押し切ろうとする癖がある。恐らく今回はそのパターンだ。
なんやかんや言い合いしたあと、
結局は、「ビールを一杯目に飲めないような店を選ぶバショウが悪い」ということになった。
僕は、口論に負け全力で機嫌を損ね、「もう帰るわ~」と言う。
僕が機嫌を損ねたこともあって、彼も冷静になり僕をなだめる。周りの友人らも僕をなだめてくれて、結局は相席屋に行くことになり、すぐ仲直りした。
●今回の一連の出来事から学んだこと
・一杯目に飲むドリンクは人によって、強いこだわりがある。
・一軒目にバーを選ぶと、激怒される可能性がある。
・バーでは、皆、かっこつける。
・駅前のシンボルアートに、尿をかける行為は、市の職員といえども許される行為でない。当然アートでもない。
・立ちションは循環型社会とは、何ら影響ない。
こうして、我々は大人の階段を上った。
ではでは